HiroshimaUniv.
Graduate School of
Biomedical Sciences Department of
Ophthalmology and Visual Science
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角膜外来

角膜とは?

“黒目”といわれる部分で、眼球の外壁で前3分の1を構成する透明な膜です。眼球の構造の中でも最も外界に接触する部分でバリアの役割をすると同時に、美しい映像を目の奥に届ける大切なレンズの役割をしています。

角膜グループ

角膜疾患に加えて、“白目”の表面である結膜や涙液の治療に関しても角膜グループで行っています。角膜グループでは、患者さんひとりひとりの症状を十分にお聞きしたうえで、種々の検査による的確な診断を行い、それぞれの状況にあわせた治療を提供できるよう心懸けています。

角膜専門外来で行っている主な疾患や治療は、以下の通りです。

角膜移植

角膜移植は、外傷や疾患により変形や混濁をきたした角膜に対して、透明な角膜を移植することにより視力を回復する治療です。当科では年間100件前後の角膜移植をコンスタントに施行しています。従来は、角膜の表面から深部まで交換する全層角膜移植が施行されていましたが、近年は障害された部分のみを交換する角膜パーツ移植が開発されています。角膜変性症や円錐角膜に対する深層層状角膜移植や水疱性角膜症に対する角膜内皮移植などパーツ移植の適応がある疾患に対しては当院でも積極的に施行しています。

角膜感染症

角膜感染症は視力に重篤な影響を与える疾患です。当科では細菌・真菌(カビ)・アメーバ・ウィルスなどの感染に対する治療を塗抹鏡検による即時診断のもと行っております。臨床現場で原因微生物に対する細胞レベルでの即時診断が可能となるレーザー生体共焦点顕微鏡検査を用いた診断法の開発にも取り組んでいます。

円錐角膜

角膜が前方に突出するように変形する進行性の疾患です。初期の円錐角膜に対しては、角膜の形状に合わせたオーダーメイドによるハードコンタクトレンズの処方を行うことにより、進行予防と視力改善を試みます。(微調整が必要なため複数回の通院が必要となります。)

進行した円錐角膜でハードコンタクトレンズの装用が不可能な場合は、角膜移植の適応となります。

ドライアイ

ドライアイは様々な要因による涙液および角結膜上皮の慢性疾患で、眼不快感や視機能異常を伴います。当科ではドライアイ専門外来を設けて、さまざまな観点から専門的な検査を行い、その結果からの診断をもとに人工涙液・ドライアイ治療薬・涙点プラグなど各ドライアイの状態に合わせた治療を行っています。

アレルギー性疾患

アレルギー性疾患にも軽症例から重篤なものまで幅広くあります。小児に見られる春季カタルでは結膜に強い炎症が起き角膜混濁などを引き起こすこともあります。当科ではこうした重症のアレルギー性結膜炎に対して通常の抗アレルギー剤点眼による治療だけではなく、ステロイド点眼や免疫抑制剤点眼を用いた治療も行っています。

翼状片

翼状片は、異常な結膜が瞳孔を覆うように三角形に角膜へ侵入する進行性の疾患です。初期の場合は経過観察や点眼治療による進行予防となります。視力や乱視に影響を及ぼす進行例では、入院手術もしくは日帰り手術での結膜弁移植を併用した翼状片切除手術を行っています。