研修担当から
1 日本眼科学会が定めた到達目標に準じて研修を行う。
広島大学眼科の診療グループは、緑内障、角膜・眼形成、網膜、斜視、神経眼科の各専門グループから構成されます。入局後は、各グループを一定期間でラウンドします。指導内容は、日本眼科学会の達成目標に沿って行われ、全員が基本項目を習得できるように指導します。
2 座学では学べない内容を、ワークショップで補う。
臨床現場では、座学に加え、生きたスキルが必要です。それを補うため、広島大学眼科では、下記のワークショップを開催しています。
2-1 スキアスコープ大会 ~スキア、好きやねん~
乳幼児の屈折検査法として欠かせない検査ですが、対象が乳幼児であることや教育の機会が少ないことから、習得しにくい検査法です。広島大学眼科では、専門医師の指導のもと、線状検影器と模型眼を会場に持ち込んでクイズ形式で行います。なんと優勝者には表彰式と賞品贈呈があります。
2-2 塗抹鏡検スキルトランスファー
微生物学で経験した方もいると思います。あの、面白そうだが自分でやりたくない検査です。塗抹鏡検は、病態把握のために、臨床現場で欠かせない検査の一つです。この面倒な分野を、角膜グループが楽しく分かりやすく、ロールプレイング形式で指導いたします。
3 他大学との合同学会 ~広島大学・愛媛大学 しまなみ眼科フォーラム~
各大学が、それぞれの専門分野を生かし、難症例を持ち寄り検討し合う合同学会です。日本では新しいスタイルで、他に類を見ません。発表は、グループの指導を受けながら新入局の先生方に担当いただきます。他大学との交流も出来、貴重な情報交換の場にもなっています。
最後に
塗抹鏡検スキルトランスファー実習風景
しまなみ眼科フォーラムでの発表
新入局といっても、1年過ぎれば後輩ができます。1年生として学ぶ時間は決して多くありません。さまざまな経験ができる環境があっても、それを適切に教育できる指導医が必要です。新医局員の皆さんは、心躍る勉強や実習を、また指導する我々は、知識のサマライズとアップデートを行い、お互いに学び合う姿勢が大切です。いざ、眼科の海の奥底に、みんなで潜ってみませんか?